沢海(そうみ)に越後の豪農の館を訪ねる

甲信越

越後の蒲原平野(かんばらへいや)をよぎる大河・阿賀野川の西岸にある小さな集落を沢海(そうみ)という。

この地に江戸時代中期、農より身を起こし代を重ねて豪農の道を歩み、やがて巨万の富を築き、越後随一の大地主となった一族があった。
これが伊藤家である。

江戸時代中期、一農民より身を起こし、巨万の富を築き、越後随一の大地主となりました。

しかし、戦後の農地解放により、これらの土地は伊藤家の所有から離れました。

伊藤家の豪壮な本邸は、敷地8,800坪・建坪1,200坪ありますが、昭和21年に遺構保存のため、「財団法人 北方文化博物館」が創設され、これに全部寄付されました。

平成12年4月、国の登録有形文化財に登録されました。

豪農の館・大玄関へのアプローチ。

囲炉裏と台所
すすけた大きな黒い梁が重なり、柱も床も黒光りして、雪国特有の豪壮堅牢な構造です。一隅に6尺(1m80cm)四方の炉がきられており、16人が一度に腰をかけることができ、雪国、越後の長い冬、使用人達は、ここで暖をとりました。

台所の広さは70坪(231平米)で、西側の炊事場には煉瓦造りの大きなかまどがあります。

南側の廊下にはこの屋敷の見どころの一つに丸桁があります。
会津の三島町の山林付近から、いかだで運ばれてきた、太さ下直径36.4cm.・上直径18.2cm.長さ16間半(30m)一本の杉の丸桁です。

築庭時に京より運ばれたつくばい。

美しい庭園に面した座敷は、その広さ100畳。
当時は特別な行事の日だけ使われる大広間でした。

美しい庭園に面した南面の座敷は、本棟に遅れること5年。
明治20年(1887年)から2年かけて建てられました。

大広間からの四季の景色は圧巻。

式台と戸は一枚板を使用、雨戸26枚が収まる戸袋や、座敷を囲む廊下には柱が一本もない釣欄間工法等全てが贅を尽くしたつくり。

朝から怪しい雲行きだったがついに来ました。
ご覧の通りの大雨。

北では「弁当忘れても傘忘れるな」という。

総欅(けやき)造りで唐破風の大玄関は、まさに「豪農の館」と呼ぶにふさわしい豪壮さを備えています。

年に2~3回、伊藤家のお正月や冠婚葬祭、あるいは皇室の方がお越しになられた時のみに開門された、特別な玄関です。

式台と戸は、欅(けやき)の一枚板からなり、床は全て石造り。
壁は新発田の奥、赤谷地区でしか採取できない赤土を使用しています。

見上げれば、豊かな財力を活用し何重にも重ねた梁組が高い屋根裏を作り出しています。特に斜めに渡された筋交と呼ばれる補強材は、個人の邸宅ではめったに使われない贅沢仕様。

さらに、新潟を襲った三度の大地震にもびくともしない頑丈さも兼ね備えている。
また上部の窓は、戦時中空襲を察知するために物見櫓として使われていた。

集古館
飯米倉として使用されていたものであるが、歴代当主が収集した美術品を展示している 唐三彩の焼き物が陳列されている

集古館2階の展示。

樹齢150年、幹の周りは1メートル60センチ以上。
一本の木から枝が広がり中庭のほとんどを占める藤の幹。

敷地内には新潟県内の刈羽地区、吉ヶ原地区より移築した古民家を保存。

広大な施設は静寂な環境の中にある。
まわりには、土塁を築き塀を建て、濠をめぐらし・・・・・・

門から居宅までに広がる前庭

大栄寺は、曹洞宗選仏の大道場であり、北越の古禅林として幾多の禅匠を輩出しています。
寛永8年(1631年)伊藤左五右ェ門が、村上領草水村の観音寺十一世笑山全悦和尚を請し、満光、極楽、得船の三カ寺を合併して大栄寺と改め開山しました。

本堂 御本尊は釈迦牟尼如来。
観音は左手に安置。

本堂の前の達磨大師、苔が生えて近付くと威厳を感じます。

沢海藩主溝口家墓所
この寺には沢海城2代藩主土佐守政勝、3代藩主伊予守政良等の墓所がある

旧中蒲原郡横越町のマンホールの蓋
チューリップ畑の中を、男の子と女の子が網を持って蝶を追いかけているデザインです。
チューリップは旧横越町の花。

下部に、「よこごし」と「おすい」の文字
さりげなく男の子の服の胸に横越町の町章が!

米山サービスエリアからは佐渡が見えるはず・・・ 雨で霞んで見えません。

松尾芭蕉の句碑がありました。
「草臥れ(くたびれ)て 宿かるころや 藤の花」

有磯海サービスエリアの句碑
ここには、 『早稲の香や わけ入る右は 有磯海』 の碑が有ります。 

意味:ここでは早稲が実のって香りが漂ってくる、その早稲を分け入って進むと右側には有磯海が見えることだよ。

那古の浦で詠んだ句です。

サービスエリアを立つ頃には先ほどの豪雨はどこへやら、晴れ間が広がってきそうだ。

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豪農の館へのアクセス、行き方歩き方

住所:新潟市 江南区沢海2-15-25
電話:025-385-2001 (財)北方文化博物館

JR新潟駅より車で20分
JR信越本線「新津駅」より車で10分