今年も八朔へ出かけた。
今までと違ったシーンを撮りたいなと思いつつ足はついついいつもの場所に向かっている。
八朔(はっさく)とは八月朔日の略。
この頃、早稲の穂が実るので、「田の実の節句」ともいい、この「たのみ」を「頼み」にかけ、「頼みの節句」ともいうようです。
この「頼みの節句」の風習は、現在は祇園の芸妓や舞妓がお茶屋や芸事の師匠宅へあいさつに回るのが行事として残っています。
待つことしばし、舞妓さん、仕込さんを従えて芸妓さんが辰巳橋を渡ってきました。
巽橋は祇園の北側に位置し、切り通しを抜けた先に流れる、白川に架かる橋です。
巽橋のすぐ向かい側には、祇園の舞妓さん、芸妓さんが芸事の上達を願って訪れる辰巳大明神が鎮座し、祇園の町の人々にとっても大切な場所となっています。
切り通しを抜けた先の辰巳橋を渡ったところで待ち構えるカメラマン達。
切り通しは白川南通りから四条通りまでわずか150m程度の小道です。
井上八千代師にあいさつへ向かう芸舞妓さんたちが通るメインストリートなのです。
末吉町通りを過ぎると、白川南通りへ至る僅か20mの部分は急に 大人3人が並ぶのがやっとの狭路となり、通りの風景が一変します。
アスファルト道路が石畳となり、格子窓と犬矢来の美しい京町屋がならんだ素晴らしい景観となります。
八月の花簪はすすき。
知り合いでも見つけたのかびっくりしたような顔です。
右のカメラマン、報道関係の人ですがずっとこの姿勢でお茶屋の玄関まで。
奴島田はこの日一日だけとのこと。
髷を結うために朝は5時起きだそうな。
芸子さんにつき従う舞妓さん。
盛んに愛嬌を振りまいています。
富美代の前で待ち構えるカメラマン達。
中々思うように撮らせてもらえません。
茶汲み女が三味線を持ち始め、座敷で舞を舞い、芸妓と呼び名が変わる頃、赤前だれは祇園の中でも特に格式のある七つのお茶屋の仲居のみに許されました。
ちなみにこの七つのお茶屋で今でも続いているのが、一力、廣島屋、そして冨田屋の流れをくむ富美代です。
玄関でバッタリ出くわしあいさつを交わす。
涼しげな帯です。
芸妓さんや舞妓さんが黒紋付の正装姿となる八朔、始業式、店だし、襟変えなど節目の行事には、襟足が通常の二本足ではなく三本足になる。
鮮やかな色の日傘です。
八朔の日、祇園では和傘、洋傘さまざまな色の日傘が開き、まるで日舞を舞うように花街の路を行き来する。
知り合いでも見つけたようです、破顔一笑。
手にはよーじやの油とり紙。
暖簾をくぐる時のさりげない所作に、花街に生きる芸妓たちのゆかしさと懸命さが漂う。
花簪はすすき。
キラキラ・ツンツンとしている簪です。
履物はおこぼ(こっぽりとも)。
カメラマンの求めに応じてサービス。
とおりは芸舞妓さんを撮ろうとする人達であふれかえっています。
舞妓さんたちはこの人波をかき分けて進むのです。
妹分の舞妓をいたわるお姉さん。
涼しい風が吹き抜けます。
裾の乱れも何と艶やかなことか。
富美代であいさつを終え暖簾をくぐる豆まるさん。
いつもかわいい豆まるさん。
こちらも手にはよーじやの油とり紙。
祇園の八朔へのアクセス、行き方歩き方
~白川(巽橋)の行き方~
市バス「四条京阪前」下車、徒歩5分。/京阪「祇園四条駅」下車、徒歩5分。
~花見小路の行き方~
市バス「祇園」「四条京阪前」下車、徒歩3分。/京阪「祇園四条駅」下車、徒歩3分。