信州の名城を訪ねて 現存天守の残る 国宝 松本城

クラブツーリズムのツアーに便乗、松本城、松代城、上田城と「信州の名城を訪ねて(日本100名城)」という企画の旅に出た。
数回に分けて紹介する。

岐阜県中津川市・恵那市・瑞浪市の市街地は、盆地の形でほぼ西南西-東北東方向に並んでいる。
この盆地と山地との高低差は屏風山断層の運動によるものであり、屏風山はこの山地を構成する山の一つである。

中央自動車道の屏風山パーキングエリアの名はこの山に由来しており、南東の方角に屏風のような山容を望むことができる。

「南アルプス」の山々を眺めながら松本を目指す。
仙丈ヶ岳から三峰岳、塩見岳、荒川岳、赤石岳、聖岳へとつながっていく赤石山脈。
赤石山脈には、9山の3,000m峰があり、10山が日本百名山に選定されている。

木曽谷と伊那谷に挟まれた中央アルプスは、長野県塩尻市から南南西の恵那山方面へと伸びる、細長い急峻な山脈であり、木曽駒ヶ岳はその北部に位置する。

標高2,600 m付近の濃ガ池(のうがいけ)、千畳敷カール及び極楽平では、氷河圏谷が発達している。
向こう側は木曽路。

松本城(まつもとじょう)は、安土桃山時代末期-江戸時代初期に建造された。
天守は国宝に指定され、城跡は国の史跡に指定されている。
松本城と呼ばれる以前は深志城(ふかしじょう)といった。

市民からは別名烏城(からすじょう)とも呼ばれている。
丁度お城祭りが行われていた。
紅葉も見頃、名城と紅葉、この上ない取り合わせだ。

1999年(平成11)3月に復元された太鼓門。
松本市役所前から、外堀を渡るとまだ新しい二の門(高麗門)がある。

それをくぐると太鼓門枡形に入り、正面石垣に高さ約4m、周囲約7m、の巨石が組み込まれているのがわかる。

これが、玄蕃(げんば)石で築城工事の際、あまりの巨石(重量22.5トン)のため運搬人が不平を訴えたところ、玄蕃頭康長は、その運搬人の首をはね、首を槍先に刺し、叱咤激励して運ばせたので、玄蕃石と名前がついたという。

太鼓楼から工事中の二の丸御殿跡西側内堀を見る。
二の丸御殿は、本丸御殿焼失後、藩の政庁が移されたところで、幕末まで中枢機関として使われていました。

一時期、筑摩県(つかまけん)の県庁が置かれていましたが、建物が焼失してしまい、筑摩県は長野県に統合されてしまいました。

紅葉のお堀端でハクチョウが気持ちよさそうに日向ぼっこです。

朱塗りの埋橋と漆黒の国宝天守の対照が絵になる。
朝もやの幻想的な姿もおすすめ。

天守閣西面、千鳥破風がキリリと美しい。
石垣は、水はけに強い野面積で、地盤が緩いため高さは抑えたが、石落としを増加。

南西角から内堀に浮かぶ天守をメインに。
数正は志半ばにしてこの世を去るが、息子の康長が遺志を受け継ぎ、完成。

堀の最大幅を銃弾の飛距離ぎりぎりの60mに設定したり、耐久性が高い下見板張を用い、狭い間隔で鉄砲狭間と矢狭間を並べたりするなど、様々な趣向を凝らした。

天守閣南面、右側の乾小天守の内部は丸太柱がたくさん使われている。
3,4階の12本の丸太柱も、城が最初に建てられたころのもので、400年以上たっている。
月見櫓はその名の通り、月見をするための建物。

書院造で、北・東・南の舞良戸(まいらど)を外せば、三方が吹き抜けになるという開放的な空間になる。
朱色の廻り縁や、船底形の天井など、デザインも優雅。

黒門枡形の前から見る天守閣は、内堀と北アルプスを映しこみ、絶好の撮影ポイント。
常念岳を中心とした北アルプスを左上空に、国宝天の連なりを正面から狙う。
雪景色なら言うことなし。

松本城近くの市庁舎展望室など周辺の高い建物からは、天守と雪を頂いた山々のツーショットを撮影できる。

黒門枡形から天守を望む。

黒門枡形を西から望む、紅葉が美しい。

内堀を渡って二の門(高麗門)をくぐり枡形に入るとそこに、料金所がある。
ここは、本丸の正門で、松本藩では本丸御殿が奥書院(黒書院)であり、その入り口にあたるので黒門と称したという。

門の入り口で見上げればそこには美しい紅葉が。

今回は逆光であり、祭りの準備で最悪の景色だが、本来であれば、本丸庭園の緑を手前に国宝天守の連なりを正面から狙う。

ここからのアングルが、大天守が一番高く見える。
雪景色があればなお美しい。

天守の階段は、一階から六階まで七か所設けられている。
その位置が互いに離れているだけでなく、どの階段も勾配が急(55°~61°)で、特に4階から5階へと上る階段は蹴上が約40㎝もあり最も険しい。

武者窓と突上戸
天守二階の東・南・西側と四階の東と西側は柱間に5本の竪格子をはめた武者窓である。
格子は4寸から4寸5分(12cm~13.5cm)の角材を用い、上下の框(かまち)も大きい。

内側から武者窓を見ると、外光を遮さえぎる明暗の縦縞が大変美しい。
なかでもこの窓が五連あるいは三連の二階南側と東側は城らしく豪壮な感じを受ける。
なお、外側は上部に蝶番ちょうづがいのついた突上戸(つきあげど)で風雨を防いでいる。

天守閣から北アルプス(西方向)を望む。
中央の高い三角形が常念岳でその左に小さく見えているのが槍ヶ岳。

少し目を右へ転じると燕岳が見える。

内堀越しに見る北アルプス、常念岳、燕岳、雪があればもっといいのだが。
内堀には埋の橋が見える。

天守から本丸御殿を見下ろす、遠方には美ヶ原が広がる。

天守脇に残る船着き場、直正の時代には、ここから小舟で堀へ出ることもあったようだ。
お堀には白鳥、白鷺が羽を休め、鯉が群がる。

日暮れが迫る内堀、埋の橋、遠景は北アルプス。

穂高人形保存顕彰一真会により人形が飾り付けられている。
菅沼家は分家の安東家と共に、風伝流の師範として藩内外にその名が知れ渡っていた。

女鳥羽川(めとばがわ)が洪水をおこしたとき、助九郎政一は、六九の米蔵に積んであった籾俵を槍の穂先にかけて運んだという言い伝えが残る。

松本城に日暮れが迫る、今日の旅も終わろうとしています。

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松本城へのアクセス、行き方歩き方

住所:長野県松本市丸の内4-1
電話:0263-32-2902

自動車利用:松本ICから 4km 15分
鉄道利用:JR中央本線松本駅下車 バス 8分
鉄道利用:JR中央本線松本駅下車→徒歩 15分