安井金毘羅宮 櫛祭り

京都府
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古くなったり傷んでしまった櫛やかんざしに、感謝をこめて供養するお祭りです。
境内北側にある櫛塚(久志塚)は、女性の命とも言われる髪の美しさを引き立てる櫛をお祀りしていて、美願のご利益があります。

思い思いの格好で準備の座敷に集まる参列者。

供養式典会場は華やかな雰囲気に包まれています。

この塚の前で祭典が執り行われ、拝殿で舞踊「黒髪」が奉納されます。
その後2時頃より各時代の髪型に髪を結い衣装をまとった、時代風俗行列が神社周辺を練り歩きます。

この行列はカツラを使わず、全て地毛で結いあげてあります。

古い櫛を代表者が神前に奉納。

神主さんが奉納された古い櫛をお祓いします。

参列者代表が献花・・・粛々と供養式典が執り行われます。
当日参加者の髪型を2,3紹介しよう。

春信風島田(はるのぶふうしまだ)
町家の娘に結われ流行した髪型。

当時全盛だった鈴木春信の浮世絵によく見られる。
特徴は、跳ね上がった髱。
長いだけでなく、一度下がってまた上がっている。

元禄島田、元禄時代ごろに流行した 島田髷の中でも古い形のもので 男性の髷だった頃の面影をすこし残している。
島田髷系統の原型で女性の髪形。

接客業などに就いている 十代半ばの若い女性に広く結われた。
やや野卑な印象の大島田を洗練させたものが元禄島田で 特に 「鶺鴒たぼ」(せきれいたぼ)という。

反り上がった「たぼ」のものは 当時の美人画の名手として有名な鈴木春信にちなんで「春信島田」と呼ぶこともある。

髷の前方部分の位置は下がり 髷自体は短く太くなっている。
後世の島田に比べると髷は水平に近く 髷の根はまだ上がっていない。

元禄玉川島田、江戸前期 元文(1736~41)初めから流行。
前髪低く引きつけ、鬢もあまり張らず、つとも低く短い。

丸髷(まるまげ)、江戸後期以降、江戸を中心とした東日本で、明治以降は全国的に 広く一般に結われた髷。

江戸~明治時代を通じて最も代表的な既婚女性の髪形。
江戸時代前期に大流行した勝山髷を変形させたもので 本格的な「丸髷」の登場は文化・文政ごろ。

幕末には髷の中に和紙製の型を入れるなどして形を保つようになった。

勝山髷とほぼ同じ結い方をするが 髷の輪が厚く広くなって輪と結うより丸に見えることからこの名がついた また髷の大きさで年齢をあらわし 若い人ほど髷を大きくした。

現在一般には髷の下に布を入れるところで勝山髷と区別している。

髷の形には 個人の好みを反映させるため 明治末期には「両国形」「老松形」など数多くの「丸髷型」があった。
未婚時代には島田髷が結われるのに対して、既婚者は丸髷を結います。

花嫁、現代舞妓の代表的な髪型です。
元来は12~3歳から芸妓になるまでの間を舞妓と呼んでいました。
現在では16歳からです。

舞妓になる為には最初「仕込みさん」として踊りやお茶などの稽古をします。
そして次に「見習い」としてお姉さんに付いてお座敷に出ます。
帯は“半だら”にします。

この期間にお座敷の作法、お客さんの接待の仕方を学びます。
芸、作法、その他色々な事をマスターしていよいよ舞妓としてデビューです。

帯を“だらり”に結び 「店だし」というお披露目をします。
芸妓として襟替えの時を迎えるまでその時々に合わせて髪型や髪飾りを替えます。
舞妓の間は髪は地毛で結い上げます。

おしどり(雄)、幕末から明治ごろの女性の髪形。
水鳥のオシドリを模したもので、主に京都や大阪の十代後半の婚約を終えたばかりの娘、嫁いで間もない若妻たちに広く結われた。

根の低い島田髷に手絡を結んだ結綿が原型で、おしどりはこの結綿に「橋の毛」をアーチ状にかけたものを言う。

「橋の毛」の先がゆるいカーブを描いて上に跳ねる様子が オシドリの冠毛に似ていることから「おしどり」の名が付いた。
おしどりには雄と雌の二種があります。

「おんおしどり」・・・実際の雄のオシドリのように華やかな印象で使用する髪飾りが多い。
「めんおしどり」・・・は同じ形だが髪飾りの少ない地味なものです。

現在も成人式などで雌雄どちらを結うかは個人の好みに任される。
振袖に合わせて派手な「おんおしどり」を結うことが多い。

耳かくし、大正時代流行した束髪の一種。
大正8年~10年頃 パーマネントを導入した当時最先端の髪型。

前髪を七・三に分けてサイドに流し 、コテで大きなウェーブをつけ サイドの髪で耳を隠すように ゆったりと後ろでまとめ 低い位置でシニヨンを作る。

左側  割れしのぶ、現在も京都で舞妓が結う髪型(嶋原太夫の髷と同じもの)。
髷の上下が開いて鹿の子が見えることから「割れしのぶ」と呼ばれる。

店出しから1~2年の年少の舞妓が結う髷で、「ありまち鹿の子」と呼ばれる手絡(てがら)や「鹿の子留め」や「花簪」と呼ばれる簪など特殊な髪飾りが多用される華やかで愛らしい髪型。

前髪を高く結い上げて布紐で結い ふっくらと自然に鬢を張り出して髱(たぼ)は出さず襟足を美しく見せる。
季節の花をかたどった大きな花簪が特徴的で その他「びら簪(びら止めも)」「玉簪」「根挿し」なども飾られる。

右側  おふく。
少女の髷として登場し現代は京舞妓に結われる髪型 吹髷(ふくわげ)とも言う
見た目が大分異なるが 京都の嶋原太夫に結われているものは 構造的に同じで舞妓風のおふく。

勝山髷系統の髪型で、吹輪の派生 初期は 大奥に勤める若い見習いの御殿女中に結われていたが 民間にも広まり華やかにアレンジされて現代の舞妓に結われている。

ちなみに年少の舞妓は割れしのぶを結うが、舞妓になって2~3年ほど経ち、可愛らしい割れしのぶが似合わなくなった頃に「おふく」に結い変る(髷替え)。
芸妓になる1~2ヶ月前から「奴島田」を、一週間ほど前になると「先笄」を結う。

先笄(さっこ、さきこうがい)、江戸時代後期に上方を中心に町家の若い既婚女性によく結われた髷。
明治の末頃まで結われた 現代では舞妓が衿替え(舞妓から芸妓になること)直前の挨拶回りに結う(町家のものとはやや形が異なっている)。

先笄は結うときに笄が不可欠な「笄髷」の一種。
後頭部で髪をひとつにまとめて折り返し、笄に毛束を交差して巻き付けた後、毛束を髷の根元に折り返して持って来て「さばき橋」(髷の上を縦断する毛束)にする。

髪飾りは髷の根元に手絡を巻きつけて、一揃いの櫛、笄、前挿し、根挿し、いち留を使用する(舞妓は鼈甲に統一し花簪を挿す)。

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安井金毘羅宮への行き方・歩き方

安井金毘羅宮公式サイト

京都市東山区東大路松原上ル下弁天町
電話:075-561-5127

JR新幹線・東海道本線京都駅から
市バス206系統北大路バスターミナル行、東山安井下車、南へ徒歩1分

京阪本線四条駅・阪急京都線河原町駅から
市バス207系統九条車庫行、東山安井下車、南へ徒歩1分
または四条通を東へ徒歩15分、東大路通を南へ徒歩10分