万葉のみちは初夏の兆しが

長居植物園の万葉のみちには既に初夏を思わせる兆しが見えてきました。

卯の花の 咲くとはなしに ある人に 恋ひや渡らむ 片思にして 

作者不詳  巻10‐1989  

立夏を迎えると、思いなしか卯の花が目につくようになる。

古来この花が初夏のシンボルとして愛されて来たそもそもの所以は、ふっくらとした蕾が米粒を連想させるからだという。

田植えを控えた季節、古人は卯の花のたわわに咲く風景に、秋の豊かな稔りを重ねて見たのだろう。

茎が中空のため空木(うつぎ)と呼ばれる。
「卯の花」の名は空木(うつぎ)の「ウ」を取って、う(=うつぎ)の花と名付けられた。

ちなみに、旧暦4月を卯月というのは、卯の花が咲く季節から、卯月と名付けられた。

紫陽花の 八重咲くごとく やつ代にを いませ我が背子 見つつ偲はむ

橘諸兄 巻20-4448

梅雨を象徴する花として、6月に入ると街のいたるところであじさいを見かけます。
この時期はまだ咲き初めで花色もまだ艶やかさはありません。

色別の花言葉

白色:寛容
青色:忍耐強い愛
ピンク色:元気な女性

あじさいは、成長や土の成分により花の色が変わっていくことから、『移り気』『浮気』などマイナスなイメージの花言葉がつけられたんだろう。

我がやどに もみつかへるて 見るごとに 妹を懸けつつ 恋ひぬ日はなし  

大伴田村大嬢  巻8-1623

しぐれの雨 間なくし降れば 真木の葉も
争ひかねて 色づきにけり

  ~作者未詳 『万葉集』 巻10-2196

まきも新芽を延ばし始めています。

この歌は紅葉を歌ったものではなく、秋の長雨の中で鮮やかな緑色と、枯れ始めた褐色の葉が入り交じって、くすんだ状態を作者は詠んだのでしょう。

真木(槇)の葉は万葉集のみならず、古歌にはよく登場しています。
とりわけ有名なのは百人一首、87番のこの歌です。

我が宿の、一群萩を、思ふ子に、見せずほとほと、散らしつるかも

大伴家持 巻8-1565

ハギも新芽を延ばしている最中です。

私の庭に咲いている、一群の萩を、いとしいあの娘に見せないうちに、もう少しで散らせてしまうところでした。

礒の上の、つままを見れば、根を延へて、年深からし、神さびにけり

大伴家持 巻19-4159

都萬麻(つまま)は、クスノキ科タブノキ属の常緑高木の椨(たぶのき)のこと。

本州・四国・九州・沖縄などの沿岸で見る事ができます。
高さは、30メートルくらいまでのものもあります。

葉には光沢があり、5~6月頃に枝先に淡い黄緑色の花が咲きます。

万葉集には1首だけに登場します。

・・・か黒き髪に 真木綿もち あざさ結ひ垂れ
大和の 黄楊の小櫛を 押へ刺す
うらぐはし子 それぞ我が妻

作者未詳 巻13 3295

・・・黒い髪に真木綿でもってアザサを結んで垂らし、大和でできる黄楊の小櫛を髪のおさえに挿す可愛い子。それです私の妻は。

万葉名・・・・あざさ 
学名・・・・・・アサザ  ややこしいね。 

「池や沼に生えるリンドウ科の多年生水草。
夏の午前中に黄色い五弁の花を咲かせる。

をみなへし佐紀沢(さきさは)に生(お)ふる花かつみかつても知らぬ恋もするかも

中臣女郎 巻4-675

女郎花咲き…佐紀沢に生える花かつみ、かつて経験したこともない恋をするものですね。

幻の花、「花かつみ」は、古い時代から花菖蒲と結び付けられてきました。

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