万葉故地 橋本の万葉歌碑 船岡山

和歌山県


船岡山は紀の川に浮かぶ島で、中山とも言われている。

標高は60m、東西500m、南北125m。

かつて対岸の妹山と地続きでした。
紀の川の水害を防ぐために、南側を切り開いて洪水を早く下流に流すようにした。

昭和63年春、船岡山の南側に長さ80メートルの吊り橋が架けられた。

この橋を渡って、弁財天を祭る厳島神社を参詣したあと、島内一周の遊歩道を散策しながら、さわやかな川風と森林浴を楽しめる。

  勢の山に 直に向へる 妹の山
   事聽せやも 打橋渡す

背の山の真正面にある妹の山は、背の山が通ってくることを許したのだろうか、二つの山の間の紀ノ川に、打橋が渡されているのだから」。

厳島神社への石段。

永承3年(1048)、平安貴族の藤原頼通が高野参詣の帰途、紺碧の水に映える紅葉と風景を愛でて、船遊びを楽しんだことでも知られている。

船岡山から妹背山を望む。

映画「紀ノ川」のロケ地としても有名。

さわやかな川風を受け、うっそうと茂る照葉樹林を散策。

妹に恋ひわが越え行けば背の山の妹に恋ひずてあるが羨(とも)しさ

巻七(一二〇八)

妻への恋心に苦しみつつ山路を越えてゆくと、背の山が妹の山と一緒にいて、恋苦しんでいないのがうらやましい

妹背山

和歌山県北東部,紀ノ川中流沿岸にある二つの丘の総称。南岸の丘を妹山(124m),北岸の丘を背山(兄山,168m)といい,ともにかつらぎ町に属する。

優しく寄り添うように美しい姿を見せる妹山・背山。
万葉人が、はるか紀伊の旅路から奈良・飛鳥の都に残してきた愛しい人への想いをその姿に重ねて詠んだとされている万葉ロマンの里。

万葉集には、かつらぎ町の「背の山・妹の山(妹背の山)」が15首も詠まれている。
これは万葉集では茨城県の筑波山の25首に次いで2番目に多い歌数です。

万葉時代をはじめ古代には、女性からみて愛しい人(夫・恋)を「背(せ)」、男性からは「妹(いも)」と呼びました。

遠くふるさとに愛する人を残し、その人を恋しく思いながらの異国での旅の途中、仲良く並んでいる妹背の山を見て「羨ましいことよ」と歌っています。

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