十一面観音で有名な長谷寺に桜を愛でにやって来た。
ちょうど寒の戻りで肌寒く、小雨のぱらつく一日だった。
先ず、正面、與喜天満神社の小高い丘から長谷寺の全貌を見る、本堂、登廊(のぼりろう、屋根付きの階段)が見えている。
本尊は十一面観音、開基(創立者)は僧の道明とされる。
西国三十三所観音霊場の第八番札所であり、日本でも有数の観音霊場として知られる。
仁王門から入山開始、仁王門から本堂までは399段の登廊(のぼりろう、屋根付きの階段)を上る。
仁王門は明治18年(1885年)、下登廊、繋屋、中登廊は明治22年(1889年)の再建である。
寺紋は輪違い紋だ。
風雅な長谷型の灯籠を吊るす。
八重の枝垂れがかわいい。
奥ノ院への参道、白い塀の奥に桜。
登廊の途中の枝垂れ桜。
慈眼院の上から登廊を見る。
葉を出し始めた枝もある。
梅心院よこの枝垂れはどこからも目立つ。
大黒堂の前で。
お地蔵さんの頭に散り桜。
雨に濡れた新芽の枝がきれい。
本堂の中は撮影禁止です、横から雰囲気をちらり。
現存の本堂は、徳川家光の寄進を得て、正保2年(1645年)から工事に取り掛かり、5年後の慶安3年(1650年)に落慶したものである。
本堂からは五重塔がよく見えます。
眼の前の枝垂れが気になる。
お大師さんも雨に打たれる、傘には散り桜。
竹と桜のコラボが素晴らしい。
與喜天満神社の方角を望む、山肌を気流が登り、きれい。
赤い花は花桃かな。
第一「登廊」の途中から右の径をとる、苔むした味わいのある径だ。
謡曲「玉鬘」で詠われた「二本の杉」、玉鬘は、源氏物語「玉鬘(たまかつら)ノ巻」に載っていて、初瀬詣の旅僧の前に現れた玉鬘の霊が「二本の杉」の下へ僧を案内して、亡母の侍女・右近と巡り会った事を話します。
また、玉鬘は光源氏と契ってから生霊にとりつかれて死んだ夕顔の娘で、故あって筑紫へ身を隠していたが、母に会いたい一心で、筑紫から大和国へ来て、長谷寺で祈願をしていたら、右近と巡り合いました。
そして、母の死を知る訳です。
この様に長谷寺の観音信仰は、どんな願いも示現して下さると云うので、王朝時代から盛んだった事を物語っています。
道明上人御廟塔。
寺伝によれば、天武朝の朱鳥元年(686年)、僧の道明が初瀬山の西の丘(現在、本長谷寺と呼ばれている場所)に三重塔を建立、続いて神亀4年(727年)、僧の徳道が東の丘(現在の本堂の地)に本尊十一面観音像を祀って開山したというが、これらのことについては正史に見えず、伝承の域を出ない。
承和14年(847年)12月21日に定額寺に列せられ、天安2年(858年)5月10日に三綱が置かれたことが記され、長谷寺もこの時期に官寺と認定されて別当が設置されたとみられている。
長谷寺へのアクセス、行き方歩き方
住所:奈良県桜井市初瀬731-1
電話:0744-47-7001
近鉄大阪線長谷寺駅を下車、徒歩15分