京都珍三鳥居 木嶋坐天照御魂神社

京都府

木嶋坐天照御魂神社(このしまにますあまてるみたまじんじゃ)は京都市右京区太秦にある神社である。
式内社で、旧社格は郷社。祈雨の神として信仰を集めている。

社殿を包むように巨樹が繁茂している木嶋神社。
木嶋神社の前を通る太子道。

関西には、ほかにも「天照(アマテル)」のつく神社がいくつかあり、元々はそれぞれ当地の太陽神を祀っていた神社と考えられている。

続日本紀などの国史には「木嶋神」の名前で登場する。
「木嶋」という名前は、原野に茂る木々の様が「木の島」のようであったからとされる。

通称木嶋神社(このしまじんじゃ)。
また、本殿東側に織物の始祖を祀る蚕養(こかい)神社があることから蚕の社(かいこのやしろ)の通称が広く知られている。
蚕の社は織物やアパレルの神様として信仰されている

二の鳥居から拝殿を望む。

現在の拝殿、本殿そして蚕養神社の東本殿は明治以降の再建である。

ここが本殿。
祭神は、「天御中主命(アメノミナカヌシノカミ)」「大国魂神(大国主命)」「穂々出見命(ホホデミノミコト)」「鵜茅葺不合命(ウガヤフキアエズノミコト)」。

拝殿の提灯に描かれたフタバアオイと、同じく拝殿幕のフタバアオイは違う意匠だ。

社殿の西にかつては湧水が豊富であった「元糺の池」(もとただすのいけ)という池の中に三柱鳥居(三ッ鳥居)がある。柱が三本で三正面、上からの形は三角形となっている鳥居は珍しい存在であり京都三鳥居の一つとされている。
これも起源不明ながら現存するものは天保2年(1831年)に再興されたものである。
秦氏と景教を関連づけ、三角鳥居はダビデの星の象徴(三角を組み合わせて星)という説もある。

ここ10年の間に、境内の池の湧き水が枯渇してしまった。近隣の宅地開発が原因とも言われている。
京都三鳥居他の二つは。
京都御所内、厳島神社の唐破風鳥居・破風形鳥居・三上鳥居・御上鳥居(島木とよぶ鳥居の横木が唐破風造り)、
北野天満宮内、伴氏社の伴氏鳥居(トモウジ、バンシ)(両方の柱の下が蓮の華状となっている)。

前述の“元糺の森”については、嵯峨天皇の時代(809~822)に、「糺」を下鴨神社に遷してから、当社の森を「元糺」とされたという。
以来、鴨氏の氏神を祀る下鴨神社の森を“糺の森”と称し、木嶋(このしま)神社の森を“元糺の森”と称するようになった。

これは秦氏と鴨氏とのつながりをあらわしている。
下鴨神社の糺ノ森の瀬見の小川の西側にある摂社河合神社の正式名称は小社宅(おこそべ)神社。
祭神は賀茂別雷命の母、玉依姫命である。
元は秦氏の祀っていた神で、賀茂氏が秦氏の婿となり祭祀権を譲られた関係からと見られる。

境内には「かいこのやしろ」と書かれた手水鉢が。

木嶋坐天照御魂神社へのアクセス、行き方歩き方

住所:京都市右京区太秦森ヶ東町50
電話:075-861-2074
京福電鉄嵐山線の「蚕ノ社(かいこのやしろ)」駅から北へ3分ほど