十二単の着付けと王朝舞

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下鴨神社で葵祭の事前特別講義と「十二単衣」の着付け、着付け後、十二単衣姿による王朝の舞を古式ゆかしく重要文化財の三井神社舞殿で行われた。


三井神社舞殿の隅にはこれから行われる着付けの意匠が重ねられている。

本来十二単とは袿(うちき)を重ね着した重ね袿姿を呼んだ名であったが、後世の俗語で五衣(いつつぎぬ)唐衣裳を指す場合が多い。

御方(おかた=十二単衣を着られる方)と衣紋者(えもんじゃ=着付けをする方)の入場。
御方は白小袖に紅の長袴姿です。

髪には櫛(くし)と平額(ひらびたい)に白い日蔭糸(ひかげのいと)をつけています。

先ず単、袿が汚れないよう裾が長い。

御方の前にいらっしゃるのが前衣紋者。
御方の後ろにいらっしゃるのが後衣紋者です。

前衣紋者は御方に息がかからないよう膝をつき、衣紋を上げます。
 
一枚目の袿(うちき)を着せて、衣紋紐で結びます。
単を結び留めていた衣紋紐を内側から抜き取ります。

袿(うちき)は全部で五枚着ます。
そのため「五衣(いつつぎぬ)」と呼ばれます。

二枚目の袿(うちき)を着せて、衣紋紐で結びます。
単と一枚目の袿を結び留めていた衣紋紐を内側から抜き取ります。

三枚目の袿(うちき)を着せて、衣紋紐で結びます。
単から二枚目までの袿を結び留めていた衣紋紐を内側から抜き取ります。

四枚目の袿(うちき)を着せて、衣紋紐で結びます。
単から三枚目までの袿を結び留めていた衣紋紐を内側から抜き取ります。
着付けのたびにだんだんと濃い色になります。

五枚目の袿(うちき)を着せて、衣紋紐で結びます。
単から四枚目までの袿を結び留めていた衣紋紐を内側から抜き取ります。
重ねる度に下の紐をはずし、常に一本の紐で着付ける。

唐衣(からぎぬ)を着せます。
唐衣は身ごろの丈が短い衣です。

裳(も)をつけて出来上がり。
裳とは、腰から下の後方だけにつけた衣。
後方に長く引きずります。

後衣紋者から前衣紋者に「帖紙(たとう)」が手渡され、前衣紋者は御方の懐中に差し入れ、「檜扇(ひおうぎ)」が手渡されます。
帖紙とは懐紙のこと。

文様は地文のみで、五枚の色の重ね方や配合に美意識を働かせており、これを「襲色目(かさねのいろめ)」という。古くは十数枚重ねたこともあったが、十二世紀末ごろから、五枚が正規となった。

この間約15分。
十二単衣は、20kg あるそうです。

重ねていく着物を紐一本で結んでいくだけで、着付け方は意外とシンプル。
脱ぐ時は数秒。 
この状態を(うつせみ)空蝉と呼ばれるそうですが、まさに抜け殻です。

そして王朝舞となるのですが……まずは衣が重い。
この時代の女性が立ち上がらなかった理由が、これでも分かります。

そして裾も幾重にも引き摺っている上に、長くて重い裳も着けているのですから、自由に動き回る事はほぼ不可能でしょう。
舞といっても殆どが上体の動きのみになります。

踊りは盆踊りや阿波踊りのように足を上げたり飛び跳ねたりしますが、舞は基本的に上体の動きのみです。

着物の色が、同系色でも重ねるごとに微妙に濃くなっていき、襟元の美しいグラデーションを作りあげていくさまがよくわかります。

舞の終了です。

舞ののち、檜扇(ひおうぎ)で顔を隠したまま退場です。

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