旧谷村家住宅は、和歌山県の中部、有田川町粟生(あお)にあった茅葺きの農家住宅。
粟生地区は有田川の中流域にあり、林業のほか古くはシュロやハゼの生産などを行っていた地域です。
玄関を入ると、奥まで仕切りのない広い土間となっており、手前には地下にイモアナがあり、唐臼が据えられ、奥に三連のカマドが設けられています。
主屋の建立年代は不明ですが、言い伝えや建築手法から18世紀後期と推定されます。
苗籠
籠目編みで円形に浅く編まれ、針金で縁を留めている箇所もある。
苗籠とは苗代から代掻きの済んだ田へ苗を運搬する用具で、本来は2個1組として担棒で前後に担ぐもの。
「イモ穴」
「食事に必要な分を取り出したり、種芋として使ったりして先祖代々使い続けている。
冬場の生活に欠かせない」
山間部でよく利用されていたが、生活習慣の変化で次第に姿を消した。
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