古民家を訪ねて 桜井市の民家 旧萩原家住宅(指定文化財)


桜井市下(旧下村)に所在していた農家で、組頭を務めたといわれている。建築年代については史料を欠くが、構造手法上からみて18世紀初期の建築とみられる。

角度を変えて。

下村は昔、宿場で栄えた桜井から、南方へ約2km離れ、多武峰に向う街道に沿った村落である。

萩原家はこの村の北部にあって、西丘陵の中腹に屋敷を構え、主屋は奈良盆地を望むところに南向きに建てられていた。

当家も国中地域の民家として分類される住宅ではあるが、実際には桜井市の中心部から談山神社へ向う街道沿いの山間集落に所在していたため、全くの平野部に所在していた前項の旧吉川家住宅とは建築年代も18世紀初頭の殆ど変わらない時期のものであるにも関わらず、外観的に大きく隔たりがある。

当家は組頭を務めた上層農家であり、座敷には床の間を持つなど相応の造作でありながら、開口部が少なく古式を色濃く残していることも大きな特徴である。

同じ国中地域にあり、建築年代や階層、規模なども近似するにも関わらず異なる風情を持つ民家を並べて一度に比較できるのは民家園ならではである。




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