昭和遊女の香り漂う旧川本家住宅

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川本邸の本館と座敷棟が建てられたのは、大正13年。
木造3階建てで、格子が特徴的な、重厚な外観だ。

1階と2階は親子格子で、1階は3本子持ちの親子格子、2階は2本子持ち、3階は普通の格子と、階によって異なる意匠で変化を持たせている。

玄関から見た帳場。

内側から見ると、帳場の左側のガラスは正面玄関が覗けるようにハート部分だけ透明になってます。

当時の女性もこれを「カワイイ」と認識してたんでしょうか。

玄関を入ってすぐ左側は娼妓溜(しょうぎだまり)と呼ばれる部屋で、往来する男たちを、格子窓から遊女が呼び止めることもあっただろう。

客のついた遊女は、この部屋の階段を使い、2階に上がったようだ。

実際の各部屋には小さな茶箪笥とか机が置かれ、神棚も設置されていたのではと推測される。

遊女が各自の小物を入れておくスペースもあったようだ、よく見ると名前が書かれている。

客はこの奥にある階段から2階に上がり、そこで遊女と出会う演出がされていた。

階段の側面には明り取りの穴を開ける工夫がされている。

客間は3畳余りの小さな部屋がほとんどで、16室ある。
1階には大広間があり、宴会場として使われていたらしい。
3階には8畳の客座敷があり、上客用だったと考えられる。

旧川本邸の建物奥側からの眺め。

三階建ての巨大な木造建築だからこそ、中央には明かり取りのために、廊下に囲まれた中庭があります。
風情があります。

「大和な雛まつり」では、中央にある大階段いっぱいに緋毛氈を敷いて雛人形を飾る。

遊郭ならではの意匠もある。
たとえばハート型に似た猪目窓(いのめまど)は、猪の目をデザイン化したもので、魔除けだったとか。

2階部分。中庭側の窓が外から板でふさがれているため、薄暗くなっています。

左手が客が待ち合わせる「案内所」「客座敷」、右手の奥には髪を結う「髪結所」などがあります。

本館は木造三階建てで、棟札から大正13年(1924)に建築されたことが判明します。

正面の表構えに組み込んだ連子を各階ごとに細かく意匠を変え、きわめて繊細な壁面を構成しています。

間口も広く、格式の高い豪壮な造りです。

遊郭には、どうしても暗いイメージがつきまとう。

地元には、遊郭跡は負の遺産であるとの意識もあり、「女性がここでどんな思いをしていたのかを考えれば、内部を見物させるのはいかがなものか」という意見もあったそうだ。

付近にはすでに廃棄の決まった元遊郭が数棟残る。

「町家物語館」(まちやものがたりかん)は、大和郡山市内の中心市街地の南東部にある洞泉寺町(とうせんじちょう)に位置する町家建築。

大正11年に納屋と蔵が、大正13年に本館と座敷棟が建てられた。

の当時では珍しい木造三階建て遊郭建築で、遊郭として一世を風靡しますが、昭和33年に廃業。
その後下宿として客間は貸間として利用されます。

今も尚、当時の上流花街の繁栄を偲ばせています。
堅固な構造の下、良好な保存状態で現在に至っており、内部には意匠を凝らした欄間や上質な数寄屋造りの小部屋など特殊な建築技法を各所に取り入れた遊郭建築ならではの造形美を創出しています。

平成26年に登録有形文化財となっています。

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