花に包まれて

歴史を訪ねる旅
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桜の時期に石山寺を訪れた、伝承では、寛弘元年(1004年)、紫式部が当寺に参篭した際、八月十五夜の名月の晩に、「須磨」「明石」の巻の発想を得たとされる。

袿(うちき)姿で物語の構想を練る紫式部。

後ろにちょこんと顔を出しているのは、娘の賢子(かたいこ)=大弐三位と思われる。
紫式部と大弐三位の歌は百人一首57番・58番に採られています。

めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に
雲隠れにし夜半の月かな
紫式部

有馬山猪名の笹原風吹けば
いでそよ人を忘れやはする
大弐三位

室町時代に出来た源氏物語の古注釈書「河海抄」などには、「八月十五夜の月が琵琶湖に映えて、それを眺めていた式部の脳裏にひとつの構想が浮かび、源氏物語は書き始められた」とある。
それは、第十二帖じょう「須磨」の巻である。

帝みかどの寵愛ちょうあいを受けていた女性との密会が発覚し、官位を剥奪された光源氏は、更なる処分から逃れるため、流謫るたくの地として知られた須磨(現・神戸市須磨区)に退去し、わびしい籠居生活を送る。

その中で光源氏は、須磨の夜空に浮かぶ満月を見て、都での華やかな生活を思い出し、寂しさを募らせる。

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