率川(いさがわ)神社 三枝祭(ゆりまつり)

三枝祭(さいくさのまつり)の名は白酒黒酒(しろきくろき)の酒樽に本社三輪山でとれた笹百合の花(古名さいくさ)を飾ってお祭りするところから起こった。

文武天皇大宝年間(701~703)から伝わる古式の神事でお供えの百合の花は疫病よけとして、参拝者が競って乞い受ける。「ゆりまつり」とも言う。

率川(いさがわ)神社とストレートに読める人は、かなりな奈良通。
山の辺の道の南部、三輪山あたりを歩いたことのある人なら、あるいは知っているかも。
率川神社は三輪神社の摂社であり、奈良市で一番古い神社。

本殿三棟
媛蹈鞴五十鈴姫命(ひめたたらいすずひめのみこと)を中心に、左殿には父の狭井大神(さいのおおかみ)、右殿には母の玉櫛姫命(たまくしひめのみこと)が祀られている。

このお祭にはロマンティックな伝説があります。
三輪山の麓、狭井川のほとりに住んでおられた大物主大神(おおものぬしのおおかみ)のお子様で当神社の御祭神である五十鈴姫命(いすずひめのみこと)が、お供の乙女達と一緒に笹ユリを摘んでいた時、神武(じんむ)天皇が通りかかり、姫の清らかな美しさに惹かれて、皇后に迎え入れられたということです。

一般参観者は招待客の後ろから見る形になり、神事をまともに見ることはできません。

特殊神饌を供える。

酒樽にササユリを飾って供える。

ササユリを持って神楽「うま酒みわの舞」を奉納する4人の巫女。
頭には日陰鬘(ひかげのかずら)というシダ科の植物を巻き長くたらした髪の上には立派な熨斗(のし)をつけている。

1時間掛けた神事が終わりました。
控え所に下がる巫女、髪の上の立派な熨斗(のし)が印象的。

午後からは清楚(せいそ)な装束を着けた七媛女(ななおとめ)やゆり姫ら約200人が市内を行列。

待ちくたびれたおじさんは居眠りの最中。
提灯もササユリです。

稚児行列に参加する人たちが集まってきます。
お母さんたちは揃いのササユリの浴衣。

花車を曳く子供達はササユリの笠を背負っています。

幟を先頭にいよいよ行列の出発です。

ササユリ(ここでは造花)を載せた花車を曳く子供達。

七色の着物の七媛女(ななおとめ)、先頭は本年の媛蹈鞴五十鈴姫命(ひめたたら いすずひめのみこと)役のお嬢さん。
この後に七媛女とゆり姫が続きます

市内を歩く練り行列には、県内の大学で学ぶ中国やハンガリーなどの外国人留学生9人も参加しています。

お下がりの入った紙袋をもって行列に参加です。
紙袋に書いてある「子守明神」は別名、子育て、安産の神さまとして信仰されてきました。

市内を行く稚児行列。

ゆり姫の被りものにもササユリ。

千早(ちはや)にもササユリ。

近年、狭井河近辺でたくさん自生していた「ささゆり」は、環境変化のため、激減し「幻の花」と云われるほどに少なくなり、「ささゆり奉仕団」の有志の方々で、大神神社境内で、人工栽培をしています。

ここで栽培した笹百合が三枝祭で使われます。
大変貴重な笹百合です。

そのため、行進の際、沿道の方には造花が配られるようになりました。

子供たちはやはり砂遊びの方が楽しいようです。

摂 社:率川阿波神社  御祭神 事代主神

率川坐大神御子神社と同じく『延喜式』に見える古社で、大物主大神の御子神(恵比須神)をおまつりしています。
奈良市最古の恵比須社です。

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率川神社へのアクセス、行き方歩き方

住所:奈良市本子守町18番地   
電話:0742-22-0832

JR奈良駅から徒歩約15分、近鉄奈良駅から徒歩約10分