梅宮大社 お酒造りと子授けの神様

花ショウブには少し早いがなと思いつつ新緑のまぶしい梅宮大社を訪れた。
この時は誰も観光客がいなくて、ひとりで庭園を散策。
考えようによっては、亭主になった気分でこの景色を独り占め。

楼門のかなり手前に鳥居があり、その間には民家が並ぶ。
参道脇に橋本経亮宅跡の碑が立っている。

江戸時代の梅宮社の神官で国学者・橋本経亮(1755-1805)は、梅宮社の社家に生まれた。本姓は橘、肥後守、号は橘窓、香果堂。

梅宮社の正禰宜、宮中の非蔵人、有職故実家、国学者でもあった。
師・高橋図南のもとで有職故実を、上田秋成らに和歌を学び、『梅窓自語』など多くの著作を残した。

本居宣長は友人。
潜水艦『伊58』艦長時、原子爆弾をテニアンまで運搬したアメリカ海軍の重巡洋艦『インディアナポリス』を撃沈した事で有名な橋本以行が名誉宮司をしていた。

参道にはタチアオイが咲いている。
日本には、古くから薬用として渡来したといわれている。

梅宮大社は酒造の祖神を祀る。
楼門二層部には奉納された酒樽が並ぶ。

「拝所」、「回廊」の奥側に屋根だけ見えているのが「本殿」。

現存の「本殿」は元禄13年(1700年)に建造されたものといわれているが、その後何回か改修されているものと思われる。
「本殿」は京都府登録文化財。
「本殿」の向かって右側(東側)には摂社の若宮社、左側(西側)には同じく摂社の護王社がある。

「楼門」と同様、この「拝殿」も神社の規模から見るとかなり大きな造りである。
屋根のもつ曲線がこの建物を優美な姿に見せている。
「拝殿」、「楼門」共に文政11年(1828)年に造営されたものといわれ、何れも京都府登録文化財。

猿田彦大神(右)、宇壽女命(左)

四季折々の花が迎える神苑(有料)は桂川の水が引きこまれた美しい庭園。
咲耶池のある東、梅林のある西、本殿裏の北庭園に分かれる。
東神苑咲耶池と北神苑勾玉池の水ぎわが花菖蒲に染まる。

四季毎に色々な花が絶えず1年中楽しめる。
池中亭 と呼ばれる茶室は、「葦のまろ屋」と和歌に詠まれました嘉永4年建築(1851)。
池中亭茶室は、梅津の風景を詠まれて有名な源の師賢の山荘でした。

大納言経信が読んだ歌の石碑。
百人一首71番「夕されば 門田の稲葉 おとづれて蘆のまろやに 秋風ぞ吹く」
夕方になると、門前の田の稲の葉ずれの音をさせて、このあしぶきの仮屋に秋風がふいてくる。

神苑ではハナショウブが咲き始めている。

池畔の散策路にはまだ花水木(はなみずき)が咲いています。

石橋の奥には咲き始めたハナショウブが見えています。
右奥には睡蓮が見えています。

睡蓮は今が盛り。
この「睡蓮」ですが、決して「水蓮」ではありませんよ!
この「睡蓮」にもちゃんと名前の由来があって、花は開いて閉じてを3回繰り返します。

これを人間のサイクルに例えて 日中(開く=目覚める)夜(閉じる=眠る)というところから、「睡眠する蓮」→「睡蓮」なんだって。
日中に花びらが開き午後になると閉じます。
これを3日繰り返して花の寿命は終わりです。

しか~し、3日間の寿命だからといって心配は無用です。
夏場には次から次へと蕾が現れ毎日楽しめますので安心して下さい。

カラスアゲハでしょうか、蝶が蜜を吸っています。

とくに庶民の一番人気は本殿の東側にある「またげ石」である。
何の変哲もない丸井二個の石が置いてあるだけなのだが、不妊の女性がまたぐと子供が授かるというご利益が宣伝されている。

夫婦で参拝する光景もしばしばみられた。
先々代の宮司の時代に今の場所に移されたが、もとは斎垣の外にあって誰でもまたぐことができた。

夜陰に紛れてそっとまたぎに来る女性もいたとか。
それにしても商魂たくましい。
今は祈祷料を払わないとまたげない。

子供を授かれば、次に願うことは安産である。
心配ない。
結婚すると一夜にして懐妊し、炎の中でも安産したという木花咲耶姫命の言い伝えから、子授け・安産の信仰が生まれたといわれます。

檀林皇后が当社の砂を産屋に敷きつめて仁明天皇を産んだことから、子授け・安産の神としても信仰されるようになった。
これにより現在でも、社殿の下の白砂を布団の下に敷くと安産のご利益があるといわれ、「産砂」の入った御守が妊婦さんの間で大人気です。

梅宮大社は京都一古い梅の名所。
ご祭神の1柱である木花咲耶姫命の「このはな」とは梅の花をさすことから、境内にはたくさんの梅の木が植えられ、現在、40種類550本以上の梅の木があり、2月中旬から3月中旬まで梅の花を楽しむことができます
かつて「梅宮」を「産宮」と書き、「産む」にちなんで「梅」が植えられたといわれ、梅が神花とされている。

勾玉池のそばではまだ卯の花が見られました。

アジサイもそろそろ咲き始めています。

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梅宮大社へのアクセス、行き方歩き方

住所:京都市右京区梅津フケノ川町30
電話:075-861-2730

市バス 28で約30分「梅宮神社前」下車、約3分。阪急電車嵐山線「松尾駅」下車、東へ桂川(松尾橋)を渡り、歩くこと約15分