春日大社神苑の藤 早咲き遅咲き同時鑑賞

この記事は誤って消去してしまった記事の再掲です。
画像は2011年5月8日訪問時のものです。

香りを広げる中国の「麝香藤(じゃこうふじ)」やピンク色の濃い「昭和紅藤」などの珍しい藤は早咲き、長い房の藤や「八重黒龍藤」などは、期間の中頃~終盤に咲きます。
しかし、今年は異変が起きています。

早咲き種の開花が1週間ほど遅れたため、早咲き種の麝香藤(じゃこうふじ)も遅咲きの八重黒龍藤も同時に見れるのです。
通常ではあり得ない状況が起きているのです。

今回の訪問者は非常にラッキーと思います。

近鉄奈良駅から15分位歩くと奈良公園に着きます。
交差点を直進すると参道になり、すぐ左手に春日大社のシンボル「藤」の開花で知られる庭園、神苑萬葉植物園正面が見えてきます。

今日は本殿の砂ずりのフジが先に見たいので右手の表参道を進みます。

二の鳥居の前で戯れる春日大社の神使、奈良公園の鹿。

石灯籠、釣灯籠あわせて約3000基に灯が入れられる万灯籠(節分とお盆)は文字通り幽玄の世界をかもす。

階段を上がると南門。
この奥に目指す砂ずりのフジがあります。

直会殿前に有名な「砂ずりの藤」があります。
美しい藤の花穂が1m以上垂れ下がり地面の砂を擦るほどのびることから、この名前がついています。

力強く絡まり合った根にも注目。
樹齢700年を超える生命力を分けてもらえる気がします。

毎年更新される掲示の記録表を確認したところ、案外長めの 1m68cm とのこと。

社殿の赤と藤の紫、そして木々の緑が織りなすコントラストの美しさをご覧あれ。

春日大社の社紋は「下り藤」。
藤は境内随所に古くから自生し、藤原氏ゆかりの藤ということもあり、次第に定紋化されました。

まだまだ砂をするような長さではありませんが、藤色の花房が朱色の社殿に目にも鮮やかに映えて初夏の訪れを感じさせてくれます。

御巫(みかんこ)の簪又、若宮おん祭の「日の使」の冠にも藤の造花が見られます。
藤原氏の氏神であることから古来、とりわけ藤は大切にされてきた。

境内のいたるところ、野生の藤が薄紫の色を散らしているが古くから有名な藤が2種ある。
拝殿前の「砂ずりの藤」と若宮神社にある「八つ藤」。

砂ずりの藤は樹齢700年以上といわれる古木。
文字どおり地面に届かんばかりに長い花房をたらし、花どきは優雅にこの上ない花の滝になる。

八つ藤はナギの木に大蛇のように巻きついた藤。太いつるが八つに分かれているからとか
花が八重咲きだからとかともいわれるが名の由来は不明。

廻廊(重文)につるされた釣灯籠が絶妙のアクセントになり、王朝絵巻をひもといたような華麗な優美さ。

鮮やかな緑が目に染みる慶賀門、奥に砂ずりのフジが見えています。

意外と知られていないのが、内侍門から見える多賀神社前の砂ずりのフジ。

祈祷所には女性参拝者の姿が絶えません。

迎賓館の玄関に神主さん、巫女さんが整列しています。
「読売新聞の社長さんが来ているらしい」と通りがかりのおじさんが教えてくれた。

GW前半4月末でないと楽しめないのが麝香藤(じゃこうふじ)。
その白い藤の花からは,麝香の香りが園を越え春日大社参道まで届くほどに,強い芳香を放っている。

この香りを楽しむために,遠方から人が集まる。
今年はこの時期(5月8日)でも見ることができた。

萬葉植物園では藤の木の植栽は、立ち木作りの形式をとっており、藤棚のように見あげるのではなく目線で花が観賞でき、 また、花が外向きに咲くことで常に日の光を浴びて美しく見える、 まさに自然と一体化した風光優美な庭園となっています。

一番人気の中頃咲きの『八重黒龍藤(ヤエコクリュウフジ)』
期間の中頃~終盤に咲きます。

今年は早咲き種の麝香藤と同時に見ることができるという通常ではあり得ない幸運に恵まれた。

ちょっとはずれたところにはこのような野生の藤・・・というか、立ち木造りから はみ出して大木に自由に絡み付いている藤もある。

野田藤の種類の中でも最も遅咲きの最後にしか見れない真っ白な珍しい『白野田藤』も出てきて遅咲き開花の時期!!
『最も長い九尺藤(キュウシャクフジ)』も、まだ見れる。

剣沢(つるぎのさわ)

この池は古くから「つるぎの沢」または「剣沢」と呼ばれていた。
近くには興福寺の僧が、当社に参拝する折にお籠りする、五箇の屋の一つである、「西の屋」や「円窓亭」(現在奈良公園内片岡梅林に移築国指定・重文)があった名所旧跡でもある。

万葉植物園のある春日大社神苑の一番奥まったところに、歌泉堂がある。
こじんまりした趣のある建物だ。

注連縄が張ってあるこの社の祭神は、柿本人麻呂である。
万葉集第一の歌人がここに神として祀られている。

百人一首の「あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む」は最もよく知られている詠だ。

歌泉堂絵馬掛け所
絵馬に詩歌を記入して奉納する。
優秀作は社宝へ掲載されると書いてある。

臥龍のイチイガシ
春日原生林には多くのイチイガシがあるが、万葉植物園(神苑)のイチイガシは幹周りが3mもあり大風で木が倒れてしまったにもかかわらずそこから起き上がって成長している様子が龍にたとえられ”臥龍のイチイガシ”と呼ばれ天然記念物に指定されている。

この木の生命力の強さを感じさせられる。

島崎藤村揮毫の万葉歌碑

 「むらさきは 灰さすものぞ つば市の
    やその ちまたに 逢える子や誰」
 「たらちねの 母が呼ぶ名を 申さめど
    道行く人を 誰としりてか

       藤村 老人

と、2首の歌が、銅版に刻まれて三角の石にはめ込まれてある。
昭和13年   藤村66才の秋の書。

会津八一歌碑

かすがのに
 おしてるつきの
 ほがらかに
 あきのゆふべと
 なりにけるかも
 

「南京新唱」巻頭の歌です。

春日大社神苑は、萬葉植物が植栽され、広さは9,000坪もあります。
花菖蒲を撮りました。

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春日大社へのアクセス、行き方歩き方

春日大社公式サイト

住所:〒630-8212 奈良市春日野町160   
電話:0742-22-7788 FAX:0742-27-2114

JR・近鉄奈良駅より奈良交通バス「大仏殿・春日大社前」もしくは「春日大社表参道」下車、徒歩10分。※時間により「春日大社本殿前」行きもあり