天に向かって勾配を描く雄渾さ 丸亀城

丸亀城は、播州赤穂から17万6千石の領主として讃岐に入り、高松城を築いた生駒親正が1597年(慶長2)から高松城の支城として丸亀城の築城にかかり、1602年(慶長7)に完成したが、その後一国一城令により廃城となった。

石垣の窪んだ奥が廊下橋、城外から見えないように目隠しの土塀が築かれている。

生駒家4代の後、肥前天草郡富岡城主から1641年(寛永18)入城した山崎家治が翌年から修築に取り掛かり城を大改修。

その後、山崎氏絶家のため、1658年(万治1)京極高和が播磨(兵庫)龍野から入り、天守を完成、第2代高豊が大手を南側から北側に移すなど城の全容を整えた。

11の櫓は明治期にすべて失われたが、天守・大手門などは残された。

大手二の門、江戸時代の初めに建てられた、丸亀城の表門で高麗門とも言われます。

大手とはお城の正面のことを指し、追手とも書きます。
大手二の門は丸亀城の顔にふさわしく、石垣に使用されている石は大きく、ノミの跡も美しく仕上げられています。

大手一の門、寛文10年(1670年)に建築され、藩士が太鼓を打って時刻を知らせていたので太鼓門とも呼ばれている。
ひとかかえもありそうな大きな柱や梁で組まれ、堂々たる風格。

御殿表門の西側に接する番所長屋は、御殿へ出入りする者を見張った長屋です。

大変簡単な作りとなっていますが、門の外側からは中の様子が分からないようにするなど、細かい工夫がこらされています。

現在では、番所・交替部屋・詰所・御駕籠部屋が残っています。

昭和47年に建設された歴史・民俗資料館。

丸亀藩主京極家の資料を中心とした郷土に関する文書、書画などの歴史資料や民具、団扇制作道具、農耕用具などの民俗資料を収蔵するほか、歴史・民俗・考古・美術などの各分野の企画展等をおこなっています。

歴史・民俗資料館から見た天守、さすがに現存12天守。

内堀から天守へ向け、4層に重ねられた丸亀城の石垣は、高さにして約60メートル、日本一の高さを誇る。

また、扇の勾配で知られる美しい曲線は、丸亀城の美を代表する石の芸術品としての風格を漂わせています。

山麓から山頂まで4重に重ねられ、総高60メートルの石垣は日本一高く、三の丸石垣だけで一番高い部分は22メートルある。

見返り坂、傾斜が急で、時々立ち止まって振り返りたくなることから、いつしかそう呼ばれるようになった。

頭上に覆いかぶさる木々が、四季折々の美しさを覗かせ、心をなごませます。

本丸から見た山下御殿跡、L字型の建物が、御殿表門、番所、番所長屋。

天守から瀬戸大橋を望む。

月見櫓跡(巽櫓)、後方に讃岐富士(飯野山)が見える。

暗色の石垣と鮮やかなコントラストを奏でる白亜の天守は、全国でも珍しい木造天守として知られます。

丸亀城の天守は、やや小ぶりではありますが、独特の工夫がこらされており、それを感じさせないほどの風格と威厳を備えています。

三の丸北側の高石垣、丸亀城の石垣のなかで最も高い所で、20m以上の城壁が続く。
隅角部の石垣は算木積みされた美しい曲線美で、扇の勾配とよばれている。

きらりと光る光芒、冬の日の長い影が印象的。

三の丸から見た二の丸搦手、二の丸長崎櫓跡の石垣(左端)と本丸の石垣上に建つ天守。

高浜虚子の句碑

「稲むしろあり 飯の山あり 昔今」
 
65歳の高浜虚子は、丸亀城を訪れ、三の丸の高台からの眺めをこのように詠みました。
俳人の目にとまった美しい風景が、城下に広がります。

大手二の門(右)と一の門(左)との間は、南北18m、東西20mの大手桝形(ますがた)。
1670年(寛文10)京極氏の時に完成。

石垣にかかわる悲しい伝説

羽坂登三郎は、常に仕事をするときは裸になって一生懸命働くことから「裸重三」と呼ばれ丸亀城の石垣を完成させた功労者です。

殿様は「さすがは重三の築いた石垣だけあって完璧だ。
これでは空飛ぶ鳥以外にこの城壁を乗り越えるものほあるまい。」とご満悦でした。

ところが、重三郎は「私に尺余りの鉄棒を下されば、容易に登ることができます。」と言って、鉄棒を使いすいすいと城壁を登ってしまいました。

殿様は、重三郎を生かしておけば来敵に通じた場合い恐ろしいことになると考え、城内の井戸の底を重三郎に探らせて、その際に石を投じて殺してしまいました。

その伝説の井戸が二の丸井戸です。

豆腐売りの人柱伝説

丸亀城築城の際、石垣の工事が難航したため、人柱を立てる事となった。
雨が降る夕暮れ、工事現場付近を通り掛かった豆腐売りが捕えられ、無理矢理に人柱として生き埋めにされてしまった。

豆腐売りは雨で豆腐が売れないため、普段は通らない城の付近を偶然通り掛かったのであった。

その後、石垣の工事は完成したが、それ以来、雨が降る夜にはその石垣の辺りで「とーふー、とーふー」という豆腐売りの声が聞こえて来たという。

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丸亀城へのアクセス、行き方歩き方

住所:丸亀市一番丁
電話:0877-24-8816 丸亀市文化観光課

JR丸亀駅より徒歩約15分、善通寺IC・坂出ICより車で約15分