司馬遼に「日本で最も美しい山城」と言わしめた 郡上八幡城

現在の天守は、大垣城(当時)を参考に1933年(昭和8年)模擬天守としては全国的にも珍しい木造で造られた。

山城であり、市街地を流れる吉田川のほとりに聳える。
城自体は小規模だが、城下から眺める城の風景や、城から見下ろす城下町のたたずまいは大変美しい。
関連記事:郡上八幡 清流と名水とおどりの城下町

鳥のさえずり、木々の緑を楽しみながら20分~30分の散策です。
郡上八幡城は日本100名城の最終選考まで残ったが落選している。
参考記事:日本100名城の選定について

遊歩道から眺める天守。

天守(左)と隅櫓。

力石
遠藤慶隆が八幡城復帰した寛文年間(1660年ごろ)郡上八幡城の大改修が行われました。
その時通称赤髭作兵衛と呼ばれた力自慢の人夫 が城下吉田川からひとりで背負い上げたというふたつの石。(1m×75cm、推定約350kg)

普請奉行がその力量を深くほめたたえたとたんに彼はその場で倒れて息絶えたと伝えられています。

普請奉行はこれを哀れんでこの石の使用を禁じたため、以降天守台の一郭に放置されていましたが、昭和8年に模擬城の建設にあたり、この石を現在地(八幡城内門前下)に安置し顕彰したものです。

およしの碑

人柱およし伝説

およし天守閣建造は険しい山頂の地形から当時の土木技術ではたいへん困難な工事でした。
特に土台となる石垣の構築はたび重なる崩壊があった、と伝えられます。

そんな折、 栗巣村(現在の大和町)から切り出して運んだ天守閣の主柱となる檜の巨材が神路村(現在の大和町)までさしかかると急に動かなくなりました。

村人総出で木を曳く作業にあたりましたが、その中にいたおよしという娘が手を添えると不思議と木は動き、とうとうおよしは木を曳く人夫や村人たちといっしょに城の築造現場まで来てしまいました。

その頃、石垣の崩壊に頭を悩ませた普請奉行は当時の慣習であった人柱を決め、そのおよしに白羽の矢が立ちました。

里の小町といわれた当時19才のおよしは白のりんずの振袖に白の献上の帯をしめ、城山の露と消えたと伝えられます。

なぜか人柱というと必ず美人ですね。

およし塚
現在、天守閣前にはおよしの霊を祀る観音堂があり、また麓の善光寺にはおよし稲荷があって、8月3日には慰霊祭が欠かさず行われています。

そして町の子供たちは城の石垣に向かって「およし、およし」と声をかけながら手をたたくと、そのこだまがおよしの泣き声に聞こえる場所がある、といったようなちょっとおそがい(郡上弁で怖いの意味)伝説を夏の夜に両親や祖父母から伝え聞かされるのです。

天守台では松の伐採が行われており、残念ながらこの部分には立ち入ることができなかった。
この際余計な気も伐採すれば景観がよくなるのだが。

ここがこの城のベストショットの位置。

天守から見おろすと町は魚の形をしている。

天守閣からの眺め、東側。
国道472号線が走り、明宝を越えて、清見へ。

山をいくつか越えると国道41号線で、下呂、高山にたどり着きます。

天守閣からの眺め、西側。
左奥に東海北陸道が見えています。

前の山の上に尾壺山城跡があります。

城山遊歩道の途中にある公園に建つ、山内一豊・千代の銅像
後方は天守。

山内一豊の妻千代は1556年(弘治2年)初代郡上八幡城主遠藤盛数の長女として生まれました。

千代が6歳の時に父盛数は病死、その後母の再婚、義父の敗北そして流浪、波乱の人生がはじまります。
やがて千代は尾張の山内一豊の許へ嫁ぎます。

安養寺
1256年(康元元年)親鸞聖人の直弟である西信が近江の蒲生郡に堂を建て安要寺とし、後に美濃に転じてから蓮如の命により安養寺と改められました。

郡上八幡へは城主井上氏の入部とともに移転。
浄土真宗の布教の展開により「郡上御坊」の呼び名で隆盛を誇りました。

名水の町です、安養寺の前の小川には水車もありました。

「水と踊りの町」と言われる郡上八幡、安養寺近くの童地蔵の水風景です。
郡上八幡は城下町でもあり、古い武家屋敷の通りも残されています。

その1つ柳町の通りにはお地蔵様が佇んでいて、郡上の名水をいただける水飲み場も併設されていました。

郡上八幡の街の中央を流れる吉田川は、長良川最大の支流です。
宗祇水からも近い、下流方向を見渡しました。
川沿いには、懸崖風に建物が建っています。

マンホールの蓋は清流を泳ぐあまごのデザイン。 名
水百選で一番目に指定された宗祇水のある地だけあって、いかにも水が綺麗と言う感じが出ています。

帰路、黒丸PAでトイレ休憩、陽もすっかりくれてしまいました。

郡上八幡城へのアクセス、行き方歩き方

住所:岐阜県郡上市八幡町柳町一の平65-9
電話:0575-67-1819 (郡上八幡城)

長良川鉄道郡上八幡駅からまめバス赤ルートで13分、城下町プラザ下車、徒歩20分