六甲高山植物園に初秋を訪ねる2/3

今上天皇が皇太子時代に訪れた時に、園内に架けられた吊り橋には「プリンス・ブリッジ」と名づけられたが、その後老朽化により架け替えられた2代目が現在のプリンス・ブリッジである。
現在は吊り橋ではないが、木製の装飾により吊り橋の雰囲気を出している。

園内には昭和天皇の行幸記念碑が設置されており、また三代の記念植樹もある。
「プリンス・ブリッジ」の北東側の古い岩組みは高山植物園創設時に作られたものである。

キンミズヒキは、草丈1メートル程に伸びて、全株に長毛が密生しています。
葉は互生し、羽状の複葉で表面に腺点があります。

大小ふぞろいの小葉からなっていますが、根元につくものは大きくなります。
花は、夏から秋にかけ、長くのびた茎の上部に黄色5弁の小さなものを穂状につけます。

ミヤギノハギ
高さ、1-2mの落葉低木。紫紅色の花を8-10月頃に咲かせる。
よく園芸用として栽培される。

和名は、宮城県に多く自生することから、歌枕の宮城野の萩にちなんで命名された。
歌枕のほうは特定の一種を指すものではなく、宮城野に萩が生えている風景からきたものである。

アケボノソウ
湿地や林床などの、比較的湿った場所に生える。
2年草であり、発芽後1年目はロゼットのまま過ごす。
2年目に抽苔し、高さ80cm程度まで茎を伸ばす。

茎の断面は四角形で、葉は10cm程度の卵状で互生する。
ロゼットの根生葉は柄があるが、茎生葉は柄がないことが特徴的である。
9-10月の花期、分枝した茎の先端に径2cm程度の白い花をつける。
花は5弁で星型。

花弁には紫色の点と、黄緑色の特徴的な丸い模様がつく。
和名アケボノソウの名前は、この模様を夜明けの星空に見立てた名前。
別名キツネノササゲ。

サワギキョウ
茎の高さは50cmから100cmになり、枝分かれしない。
葉は無柄で茎に互生し、形は披針形で、縁は細かい鋸歯状になる。
花期は8月から9月頃で、濃紫色の深く5裂した唇形の花を茎の上部に総状に咲かせる。

花びらは上下2唇に分かれ、上唇は鳥の翼のように2裂し、下唇は3裂する。
萼は鐘状で先は5裂する。
キキョウと同じく雄性先熟で、雄しべから花粉を出している雄花期と、その後に雌しべの柱頭が出てくる雌花期がある。

タカネビランジ
南アルプス特産の多年草。
高山体の岩場に生える。

花色はごく淡い淡紅色のものと,鮮やかな紅紫色のものがある。
花は5枚の花弁が不均等に展開し,独特の形になる。
基準変種のオオビランジは,茎上部や萼が無毛で亜高山帯から低山帯に生える。

北海道礼文島の固有種。
礼文島の桃岩展望台や桃岩歩道などで見られる。

草丈は10~25cm。1本の花柄に数個~十数個の紫色の花を上向きに咲かせる。
花期は6~7月。
和名の由来は、礼文島でのみ見られるので。

ヒゴタイ
日当たりの良い山野に生える。葉はアザミに似て切れ込みがあり、棘を有する。
花期は8月から9月。花茎が1~1.5m程度直立し、その先に直径5cm程の青い球形の花が咲く。
これは瑠璃色の小さな花が球状にかたまって咲いたもので、写真のように一株に複数咲く。

ワレモコウ
草地に生える多年生草本。地下茎は太くて短い。
根出葉は長い柄があり、羽状複葉、小葉は細長い楕円形、細かい鋸歯がある。

秋に茎を伸ばし、その先に穂状の可憐な花をつける。
穂は短く楕円形につまり、暗紅色に色づく。

シラヒゲソウ、ひげを取ったらウメバチソウ。
ウメバチソウとシラヒゲソウは親戚です。
シラヒゲソウは少し湿り気がある場所にあります。

高さは10cm程度、秋に2cmほどのこんな花が咲きます。
カワラナデシコもそうですが、花びらの縁をなぜここまで細切れにするのでしょうか。
何か良いことでもあるのでしょうか。

フシグロセンノウ
花期は7-10月。
野草では珍しい色の朱赤色の花を、分枝した茎の先にまばらに数個付ける。

萼(ガク)は2.5-3 cmの長円筒状で5裂し、毛はない。
花弁は5個で長さ2.5-3 cmになる。
蒴果(サクカ)は先が5裂した長楕円形となる。

レイジンソウ
和名は伶人草で、花の形が伶人(舞楽の奏者)が被る冠に似ていることからつけられた。
高さ40-80cmになり、上部には密に短毛が生える。

オタカラコウ
花茎の高さは1mから2m程度になる。
根出葉はフキに似て長い葉柄があり、心円形で径40cmから60cmになり、葉の縁は鋸歯状になる。

茎につく葉の葉柄は茎を抱く。
花期は7月から10月で、茎の上部に黄色い頭花を総状につける。
総状花序の下から上へ開花していく。

植物園のアイドルとして可愛がられている小便小僧は昭和37年6月に誕生。
昭和40年10月には、ベルギーブリュッセルのグラン=プラス広場の小便小僧と義兄弟となりました。

ちょっぴり太めで裸の僕ですが、木枯らしが吹いて寒くなる頃には、「かぜをひかないようにね」と、マントを着せてもらいます。 

タカネナデシコ
ユーラシア大陸北部と、日本の北海道・中部地方以北の高山帯の岩礫地や草地に分布する。
基準標本はドイツのもの。
田中澄江が『花の百名山』の著書で斜里岳を代表する花の一つとして紹介している。

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六甲高山植物園へのアクセス、行き方歩き方

六甲高山植物園公式サイト
住所:神戸市灘区六甲山町北六甲4512-150
JR神戸線「六甲道駅」からバス「六甲ケーブル下」~六甲ケーブル約10分~山上バス約10分「高山植物園」すぐ