アートなクリスタ長堀で雨宿り

クリスタ長堀は大阪市の中心部を通る、長堀通の四つ橋筋から堺筋までの全長730mの部分の地下にある心斎橋周辺地下街で、延床面積は81,765m²とてもアートな地下空間です。

長堀橋跡記念碑
長堀川に最初に架けられた橋で江戸幕府が管理する公儀橋でした。
しかし昭和46年(1971)、モータリゼーションを偏重した都市計画によって川は埋め立てられてしまい、長堀橋もなくなりました。

よく見ると川の流れに橋が架かっているデザインなんですね。

船場と島之内の境目を流れた長堀川。
大坂最古の堀川・東横堀川の末吉橋から西に分流して木津川の伯楽橋に注ぎ、その長さは約2.4キロ、幅は約50メートルでした。

水都大坂の水運の要として機能しましたが、現在は埋め立てられ、長堀通になっています。

その作品群がマップと共に一覧できるポスターを、メトロ広場に発見しました。

メトロ広場の女性用お手洗いと男性用お手洗いの間の壁面、動く歩道の横に広がっている壁面レリーフ。

日本の代表的な現代版画家、黒崎彰氏による、輝きを表現した作品。

よく見ると大阪湾や大阪城、京セラドーム大阪などが描かれているのですが、その斬新な手法にかかると大阪のシンボルもまるで違うものに見えてくるから不思議です。

四ツ橋駅側の一番端っこに壁画が展示してあるのを見かけました。

今どきのイラストレーターの方ならHPの一つでもあるやろう、と作者名を探したんですが、どこにもそれがありません。

これは天神祭を描いた壁画。

そんな水時計広場南側の中1出入口には、江戸時代末期の大阪の名所を描いた「浪花百景」が何百点も展示されおり、これもまた見応えがあります。

これは順慶町の夜店を描いたもの。

これは近くにあった石浜の様子を描いた浮世絵、このような浮世絵が何百点も展示されているのだからたまらない。

江戸時代、日本中の名石が集められ「長堀石濱」と呼ばれた、長堀川周辺を紹介する図絵も、近くでじっくりと見ることができます。
「長堀石濱」を偲ばせる、壁に埋め込まれた石たちも、心なしか今までより胸を張っているようです。

長堀川は諸国物産の集散地として利用され、四ツ橋以西の長堀川沿岸は材木商が軒を並べて木材市として賑わいました。

また心斎橋と佐野屋橋との間には石屋が立ち並び、摂津の御影石、播磨の立山石、泉州の和泉石、京都の白川石、紀伊の大崎石、近江の木戸石など、全国各地の名石が集積し、名工たちの手によって鳥居や橋、灯篭、手水鉢、道標、石仏、石臼など様々な商品に姿を変えていきました。

ただの石が彫刻されて姿形を変えていく有様は、まるで魔法のような光景で浪花名所として非常に有名でした。

その石浜を模したモニュメントがクリスタ長堀東端にあります。

ここは休憩スポット、壁面を見てください、ガラス工芸作家の八田雅博氏による「天の川」を表現した作品です。
ガラスアートならではの輝くような色彩に、しばし心が洗われるよう。

これも奇抜なアイデアの作品、なんとか作家を見つけられないかと探したのですが・・・・・

まねきゃっと広場で2014年の運勢をチェック。

休憩所「サンクンガーデン」につながる中12階段の途中には、アーティストの作品が飾られています。

まるで空中美術館のような風景!版画家のデーヴィッド・サーレという方の作品だそうです。

両サイドに、版画家のデーヴィッド・サーレの作品を見ながら、階段を上った先に広がる広場は、初めて行くとまるで秘密基地を見つけたような気分になりますよ。

長堀通のど真ん中に、こんなに広い休憩スペースがあるなんて、驚きます。
この時季、お天気の良い日は、昼食を食べる人やベンチで休憩する人たちがちらほら。

地下街のクリスタ長堀で、青空を見ながら過ごせるここは、まさに隠れ穴場スポットです。

実はこのビル、クリスタ長堀の空調設備などが入っているクーリングタワー。
せっかくなので道行く人たちにアートな気分を楽しんでもらおうと、巨大な壁画で彩ったというわけ。
 
アメリカのポップアートの先駆者、ロイ・リキテンシュタイン氏によるダイナミックな画は、ビルの大きさにも劣らぬほどの大迫力。
 
ウエストタウンの一番西、南17エレベーターを上がって左、長堀通りを背に立つと眼前にそびえ立つビルと壁画が。