博物館の周囲に広がる大和民俗公園は、26.6万平方メートルの広大な敷地を有する都市公園で、自然との共生の場、里山も保持している。
梅林や菖蒲園で四季折々の草花を眺めたり、森林浴ウォーキングなども楽しめる。
奈良県内各所で江戸時代に建てられ実際に使われていた茅葺き屋根などの様々な建築様式の家屋(民家・土蔵)11件(15棟)を公園内に移築・展示している。
うち、2件(3棟)が日本国の重要文化財、7件(10棟)が奈良県指定有形文化財となっている。
こちらは唐箕(とうみ)。
風のチカラで穀物の実と、秕(しいな)・籾殻(もみがら)を吹き分ける農具です。
秕(しいな)とは、空ばかりで中身の無い籾(もみ)のことを言います。
必要なものと不要なものを選別する道具というわけですが、お米の国に生まれていながら唐箕のことを知らない人も多いのではないでしょうか。
水車を踏む風景。
奈良盆地のあちこちで、このような風景が見られた。
足踏脱穀機
足踏式脱穀機は、人が踏板を踏むとこぎ胴が自動的に連続回転するように工夫されていた。
その後、こぎ胴を発動機(ガソリンエンジン)や電動機(モーター)で回転させる脱穀機が登場し、脱穀作業の能率は飛躍的に高まった。
千歯扱き、千把扱き(せんばこき、せんばごき、せんばこぎ、せんばすごき)
木製の台に付属した足置きを踏んで体重で固定し、櫛状の歯の部分に刈り取った後に乾燥した稲や麦の束を振りかぶって叩きつけ、引いて梳き取る。
稲の場合にはこれで穂から籾が落ちるので、脱穀が完了する。
麦の場合には穂が首から折れて穂のまま落ちるので、これをさらに叩いて脱穀する。
山仕事、過酷で危険な重労働でした。
都市生活者はこのような光景を目にしたこともないのでは。
木馬(きんま)出し(ソリで運ぶ)。
割り木をならべた木馬道の上に、ソリをすべらせ、木を山からおろす。
木馬は枕木と摩擦して火を発することがあるので、木馬師は前に吊るした筒の中の油を枕木に塗りつつ、舵を取っていく。
なかなか重労働で、危険な作業。
こちらは筏流しの様子。
木で筏を組んで川に流します。
山があればそこには川があります。
川も重要な輸送経路であった。
機織りの様子。
日本昔ばなしでなじみがあるかも。
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